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2006年01月05日
 2005年12月の上旬、朝日新聞のとある記事に目が留まった。ウルトラセブンでは第13話「V3から来た男」でデビューを果たし第37話「盗まれたウルトラ・アイ」などを手がけた脚本家、市川森一の記事である。この記事を読んで全体的には納得も幾つかの点について感想を述べてみたい。

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@今の40代のウルトラセブンに対するこだわりには尋常でないものを感じる。

 納得である。私も40代、アイドル全盛時代の親衛隊に例えるとセブンの親衛隊は他のウルトラヒーローのそれらとは比較にならないほど強力だろう。特にウルトラ警備隊の各隊員の人気はセブンをも凌ぐものがある。この傾向からもウルトラセブンが単なる巨大ヒーローものとは違うという事が窺える。


A「セブン」は実に内容が暗い。
セブンはいつも嫌々戦っていたし勝っても後味が悪かった。


 決して明るくはなかったが、「暗い」とストレートに言われると違和感を感じる。
ミステリアスな味付けの作品が多いがゆえのイメージと言える。尤も他のウルトラヒーローと比較すると「暗い」と言う事になるのであろうが・・・。

 また、物語が悪を駆逐する巨大ヒーローをその側面から徹底的に描いたものではないのでそういう意味では多少薄れるであろうが嫌々戦っていたとは思えない。変身するまでの過程に於いてダンの心の葛藤や紆余曲折するシーンはあるものの(そこがセブンの一番の見所)一度戦いともなれば殆んどの作品に於いて強いヒーローを印象づけた。
でなければ本編が子供が理解するのには少し難しい内容だけにこれほどまでの支持を受けられなかったかもしれない。


Bヒーローには正義感がなければならない。
ところがウルトラセブンの正義感はいつもフラフラしていた。


 なぜだろう?セブンの作風は脚本家が視聴者に問題を提起する形で作られている。
そしてその答えを決して語ってはいない。作品を通じて視聴者に判断を委ねているように思う。ここが他のウルトラシリーズの追随を許さない最大の魅力のように思う。

 脚本家はモロボシ・ダンやキリヤマ隊長、時には敵対する異性人の言葉で問題を提起し、その思いを作品を通じて伝えてくる。モロボシ・ダンの頭の中の言葉はそれを代弁しているかのようだ。方向性は示していても決して結論づけない。視聴者は子供の頃はそれに気づかないが大人になるにつれそれを考える。そしてその答えは千差万別、そこから色々な解釈が生まれてきた。そうすることによってウルトラセブンの各作品は視聴者の心の中で大きくなっていく。


Cセブンの敵が「怪獣」ではなく「異性人」だったこと。(中略)
手前勝手に正義の戦いを繰り返すウルトラ警備隊と助っ人セブン…


 前述の通りの作風にするには相手が物言わぬ怪獣では成り立たない。そして市川氏が言う「正義」、これがセブンでは大義名分として使われている部分が少なくないように思う。誰がどう考えてもこれが正しい・・・と言う「正義」とは明らかに違う。事物に表と裏があるように「正義」にも表と裏がある。これを地球人側から見たウルトラ警備隊と客観的に見ようとするモロボシ・ダン。ここに若干の差異ができる。どちらが正しいか・・・これもまた視聴者に判断を委ねている。(但し、作品は地球人側の解釈で展開していく)

 いつしかダンは「美しい地球を守る」ことから「地球人を守る」という方向に傾斜していく。このことは「ノンマルトの使者」から1999最終章6部作「わたしは地球人」へと引き継がれていく。


Dウルトラセブンにはベトナム戦争の影が漂っている。いま40代が「セブン」に見るのは、その影の部分かもしれない。

 これはどうだろう?今の40代も当時は子供、そこまでの解釈ができただろうか?
また、当時の最大の出来事とはいえ遠いアジアの片隅での事に子供たちは関心を持っていたであろうか?少なからず私はウルトラセブンからベトナム戦争を連想することはまずない。むしろこの拘りは脚本家のほうにあったのではなかろうか?

 戦前、戦後を生き抜きGHQによる占領政策に賛否を巡らせ、自立の道を歩みだした日本の中にあっても尚、影響力の強いアメリカに対する反発と高度経済成長の副作用(産業優先の中にあって法整備や他の精神的なもの、すなわち国民の権利などの確立が遅れた)に憂いを抱いている国民の気持ちを代弁したかったのではないかと思う。
アメリカが他国の紛争に東南アジアの平和を唱えて首を突っ込み、ソビエトとの覇権を争ったベトナム戦争はそれらを象徴する出来事として彼らの心に深く刻み込まれたに違いない。

これでいいのか日本!これでいいのか世界!」こんな事を訴えたかったのではなかったのか。

 そう考えるとセブンは決してボロボロになって地球を逃げ出したのではなく、「私ができることはやった。これからは君らの時代だ。後を頼む」そんなメッセージを残して飛んで行ったように思う。金城哲夫がセブン終了後に故郷沖縄に帰っていったその真意は彼の作品を見れば理解できるような気がする。
この記事へのコメント
はじめまして。TBをお返しいただいて感謝いたします!
セブンファンで、最近子ども関係の事件とあいまって、あらためて当時の遊びや娯楽について考える機会が多くなり、記事アップしたのですが、こちらの記事はとってもタイムリーで深い内容で、興味深く拝見しました。

時代背景の違いはありますが、私を含め40代が熱くなるのは、ただのノスタルジーではなく、セブンが残した様々な思いが、今の時代に必要だと感じているからだと思います。
長文にて失礼いたしました!
Posted by なるもにあ at 2006年01月11日 19:23
お久しぶりです。
お元気そうで何よりでした。私は、当時は難しい事とか何も考えずに、ただただセブンの世界に引きずり込まれ、今に至っています。確かに、セブンはこれまでのウルトラシリーズとは、別格だし、これから作られるウルトラシリーズには、まず絶対ないものでしょう。
Posted by さとっち at 2006年04月21日 17:31
皆さん、コメントありがとうございます。
最近多忙でブログの更新ができず申し訳ありません。
GW中にはなんとかしたいと思っております。
たまに立ち寄ってくださいませ♪
Posted by 恒点観測員337号 at 2006年04月30日 07:09
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