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2005年10月07日
 作戦室。松葉杖を突いてフルハシがタバコを吸いに来る。メディカルセンターではアンヌ隊員がうるさいからだ。そんなフルハシにダンがコーヒーを入れてやる。
フルハシはライフル乱射事件の前に買ったタバコを美味しそうに吸い始めた。
だが吸い始めて間もなくフルハシは突然気が狂ったように暴れ始めた。何事かと思いながらも制止させようとする隊員たち。だが地球防衛軍きっての怪力の持ち主であるフルハシは一筋縄では抑えきれない。キリヤマ隊長が一発フルハシを殴る。机にうつ伏せにもたれ掛かったフルハシに背後から防衛隊員が総出で飛び掛る。それでも尚起きようとするフルハシだったが大絶叫を上げ突然気を失う
キリヤマ隊長は「おかしな奴だな?」と言うとその場に落ちていた吸いかけのタバコを拾い一べつした後灰皿に揉み消した。事態は収拾、フルハシは再びメディカルセンターに運ばれた。


 一時経ってメディカルセンターにフルハシを運んだソガが戻ってきた。
「フルハシはどうした?」とキリヤマ隊長が尋ねるとソガは「死んだように眠り込んでいます」と報告。「そうか」とキリヤマ隊長が言葉を返すとソガは「いやあ、まったく驚いたよ。さっきのライフル魔そっくりなんだから・・・」と言いながらフルハシが置いて行ったタバコに手を伸ばし、吸い始めた。
ソガもまた一服した途端に変調をきたし、それに気づいたダンとキリヤマ隊長に向けウルトラガンの銃口を向けた。隙を見てダンがウルトラガンを跳ね除けるとソガは狂ったように暴れ始めた。飛び掛ったアマギの腕に噛みつくソガ。ダンはじめ数人の防衛隊員が取り押さえたのだが、やはりその瞬間ソガは突然気を失った

 「わからん、これは一体どういう事なんだ?」とキリヤマ隊長が思案に暮れる。と、ダンは二人が吸ったタバコを一本取り出し、「隊長、フルハシ隊員もソガ隊員もここでタバコに火をつけた瞬間・・・これですよ!このタバコに原因があるんです」と言いながらタバコを揉みほぐした。すると中から小さな赤い粒状の結晶体が数個出てきた。キリヤマ隊長はそのひとつを手に取ると科学分析を指示した。

 次にダンが取った行動はタバコの入手経路を突き止める事だった。ダンはアンヌと共に北川町の友里征二郎邸に向かう。夫人は夫がどこでタバコを買っていたか分らないと言ったがアンヌが事故当日か前日に限定して尋ねると、「ママ、僕知ってるよ」と横で遊んでいたヒロシが言った。

  「えっ!ヒロシちゃんホント?」とアンヌ。
  「だって僕、パパと一緒にタバコ買いに行ったよ」とヒロシ。
  「そう、あの朝ヒロシと散歩に出かけましたわ」と夫人。
  「坊や、そのタバコ屋さん覚えているかい?」とダン。
  「朝早くだから、まだ、タバコ屋さん閉まってたよ」とヒロシ。
  「じゃあどこで買ったの?」とダン。
  「あのね、駅前の自動販売機で」とヒロシが答えた。

ダンの脳裏に第4分署での記憶が浮かんできた。
 
  「タバコは!」と刑事。
  「駅前の自動販売機で」と犯人。

駅前の自動販売機だ!それだ、間違いない。アンヌ、行こう!」ダンはアンヌを促して北川町駅前の自動販売機へと向かった。自動販売機のタバコは売り切れていた。

  「売り切れか・・・」とダン。
  「遅かったわね」とアンヌ。
  「そうでもないさ。今にタバコを入れに来る奴がいる。そいつが来るまで張り込むんだ」とダン。

 その頃、防衛軍基地では科学班による赤い結晶体の分析結果がキリヤマ隊長に報告されていた。何でも地球上のものではなく、これに侵されると他人はすべて敵に見えてくるという効力があり、宇宙ステーションV3の隊員がY星探検をしたときに持ち帰った宇宙ケシの実とよく似たものとの事。
「他人が敵に?」キリヤマ隊長そう言うとシャーレの中の赤い結晶体に目を向けた。「そうです。従って理性や感情を失い、敵を倒す殺意だけを持った人間に変わってしまうんですよ。それをタバコに仕込むとは、恐ろしいことを考えたもんです。人類の約半分ぐらいは、タバコを吸っているんですからね」と科学班研究員。
キリヤマ隊長はこの報告をすぐさまダンに知らせるようアマギに指示した。

 北川町南駅前の2階にある喫茶店で張り込むダンとアンヌ。「君の叔父さんも、タンカー爆破の犯人も、ライフル魔も、みんなその赤い結晶体のために殺人鬼と化してしまったわけだ」とダン。「叔父様そうとも知らずにフライトの前に一服やったのね」とアンヌが言う。間もなく黒のハットに黒のスーツ姿の男がフォルクスワーゲン社製のワゴン車に乗って現れた。男はタバコを補充すると再び車に乗って走って行く。
タクシーで追う2人。
ワゴン車が未舗装のデコボコ道を右に左に揺れながら進む。雨上がりなのか溜まった水を跳ね上げながら・・・。
タクシーもまた同様に後を追う。
車内から本部に連絡をとるダン。北川町南駅前の自動販売機の撤去と北川町住人にそこで買ったタバコをのまないように呼びかけるよう要請した。

 やがてワゴン車の男は重機の音が響く工場地の一角にある一軒のかなりくたびれたアパートに入っていった。ダンもアンヌを見張り役として外に残し単身アパートに入っていった。ゆっくりと警戒しながら一歩一歩中に入る。ウルトラガンを抜き、用心しながら進んで行く。野良猫が金属製の洗面器を蹴飛ばして逃げていった。
外ではアンヌが夕陽を背にダンが入って行ったアパートを見つめる。緊張と不安が入り混じったような表情。そこへ何処からともなくラジオかテレビの野球中継が聞こえてくる。まるでアンヌの心境などお構いなしといった具合に・・・。

 ダンは薄暗い廊下を更に奥へと進み突き当りの部屋の前まで来た。その時だった。部屋のドアが開いたかと思うとダンはその中に引きずり込まれた。
ダンが振り向く。「うぉ!」思わず声が出る。そこには宇宙人の姿があった。

  「ようこそ、ウルトラセブン。我々は君の来るのを待っていたのだ」と宇宙人。
  「なに!」とダン。
  「歓迎するぞ。なんならアンヌ隊員も呼んだらどうだい」と宇宙人。

そう言って宇宙人は丸いちゃぶ台の前に座る。
ダンも反対側につられるように腰を下ろす。

  「君たちの計画は全て暴露された。おとなしく降伏しろ!」とダン。
  「ハッハッハハハハ、我々の実験は十分成功したのさ」と宇宙人。
  「実験?」とダンが聞き返す。
  「そうだ。赤い結晶体が、人類の頭脳を狂わせるのに十分効力がある事が解ったんだ。教えてやろう。我々は人類が互いにルールを守り、信頼しあって生きている
   事に目をつけたのだ。地球を壊滅させるのに暴力を振るう必要はない。人間同士の信頼感を無くすればいい。人間たちは互いに敵視し、傷つけあい、やがて自滅
   していく。
どうだ、いい考えだろう」と宇宙人。
  「そうはさせん!地球にはウルトラ警備隊がいるんだ」とダン。

すると宇宙人は襖の奥の宇宙船に歩いて行き再びダンの方に振り向くと、

  「ウルトラ警備隊?恐いのはウルトラセブン、君だけだ!だから君には宇宙へ帰っ
   てもらう、邪魔だからな。ハッハッハハハ・・・」と宇宙人。

後を追うダンが宇宙船の中に入った瞬間、宇宙船が動き出す。

 外は夕暮れ。下町工場地帯にぼやけた灯りが点在する。その一角のアパートが真っ二つに割れたかと思うと、中から宇宙船が飛び立った。「アンヌより本部へ!アンヌより本部へ!アンヌより本部へ!」宇宙船の音に掻き消されぬようアンヌが声を出す。
「はい本部。なに!アパートから宇宙船が?・・・うん、・・・うん、中にはダンがいるんだな!・・・よし了解!」連絡を受けたソガが振り向きざまに「隊長!」と叫ぶ。基地内に警報が鳴り出す。
ウルトラホーク1号、出動スタンバイ!」とキリヤマ隊長。
夕闇迫る双子山。西陽を正面にウルトラホーク1号が飛び立つ。ホーク1号が宇宙船に近づくと宇宙船はふたつに分離した。ホーク1号はその中の一機を撃墜したのだが、中にはダンが乗っていた。落ちていく宇宙船の中でダンはウルトラセブンに変身。

 かくして夕暮れのオレンジ色をバックに宇宙人との戦いが繰り広げられる。
セブンと宇宙人が夕陽を背に空中交差でストップモーション。画面が切り替わりホーク1号と残りの宇宙船との攻防。ホーク1号がその宇宙船を片付ける。空中交差の2体が動き出す。
互いに離れて行くセブンと宇宙人。宙返りざまにアイスラッガーを放つセブン。
逃げる宇宙人。
戻りかけたアイスラッガーをサイコキネシス(念力)で再び宇宙人に向けコントロールするセブン。アイスラッガーは飛び立った宇宙人を見事に縦切り。止めはウルトラビームで空中爆破。
オレンジ色の夕暮れに立つセブンの勇姿。

『メトロン星人の地球侵略計画はこうして終わったのです。人間同士の信頼感を利用す
 るとは恐るべき宇宙人です。でもご安心下さい。このお話は遠い遠い未来の物語なの
 です。えっ?何故ですって・・・我々人類は今、宇宙人に狙われるほどお互いを信頼
 してはいませんから』



監督:実相寺 昭雄 脚本:金城 哲夫 特殊技術:大木 淳
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Tracked: 2007-10-28 10:23